よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

ドラマ『民王』は安倍首相への痛烈な皮肉?

深夜帯のドラマなので録画で見ている。『チャンポン食べたか』の父と息子がこちらでも親子を演じている。が、こちらは二人の魂が入れ替わっているので、エンケンさんがあの怖い顔でバカ息子、菅田くんが時代がかった浪花節の二代目政治家で、やっと総理の座をつかんだばかりという父親である。

 

人格入れ替わりのドラマは数々あって、また・・・と思うところだけれど、設定が総理大臣という思い切ったものであるところから、意外な面白さが生まれている。

 

父も息子も女性に弱いところは同じだが、父親の方は色っぽいタイプが好きなのに対して、息子の方は清純派が好み。この息子、国会答弁で「未曾有」を「みぞうゆう」と読んでしまうようなおバカ(あれ?そう言えば実際にそう読んじゃった大臣もいましたね。これだけでバカと決めつけては悪いかしら?)だけれど、困っている人は放っておけないような優しさを持っている。

 

レアメタル輸入のためなんとしても交渉を成功させなければならない外国の大統領の接待も、対立する政党の党首とのテレビ討論も、周囲が必死の対策を講じても愚かな息子はことごとくはずしていく。ところが取り巻きの遠隔操作が効かなくなって窮地に陥ると、やむなく素の自分で対処し、それが怪我の功名でうまくいってしまう。

 

このテレビ討論の場面は、頭は良くないけれど心の優しい大学生である息子の魂を持った総理が、安い時給で保証もないアルバイトをし、結局大学を辞めざるを得なくなるような学生の例を引いて、困っている人を助けられる政治にしたいと語り、抱腹絶倒の喜劇ながら、ちょっと胸を打つ良いシーンだった。

 

そして、これは安倍総理への痛烈な皮肉ではないか!と私は思ったのだ。美辞麗句や難解な熟語を並べさも立派そうに聞こえるけれど空疎な安倍総理の言葉に比べ、バカ息子の頭を持ったドラマの総理は、難しげなことなど何一つ言えないが、誠意に溢れ心を揺さぶるまごころがあった。

 

これからどんな展開を見せるか予想がつかないが、原作は池井戸潤であるし、俳優陣の達者な演技もあいまって、かなり期待は高まる。『ちゃんぽん・・・』からのエンケン、菅田コンビの息の合った熱演はもちろんだけれど、秘書役の高橋一生くんの力の抜けた演技が私は特に気に入っている。彼の低めの声で抑揚も少なくボソボソっと言う辛辣なセリフは必見、じゃない必聴だ!

 

 

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番組公式ホームページより(しまった、高橋一生くんがいない場面だった)