よんばば つれづれ

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今読むと妙にリアルでこわい『日本難民』吉田知子著

なんだかよく分からないけど、ある日突然連合国が日本を抹殺することにして攻撃を始める。情報は入っていたらしいのに、どうやら政府はそれを軽視していたらしい。動揺を恐れて国民には一切知らせなかった。いや、そんなことあり得ないと思っていたらしい・・・。

 

実際の攻撃が始まり、東京は焼け野原だという噂だし、家の前の道路には大通りを避けて迂回する避難の車がどんどん入り込んでくる。トイレを借りに来る。水を貰いに来る。大騒ぎなのに、「絶対うちから動かないように。デマを信じてはいけません。」なんていう政府の緊急通達が伝えられる。

 

ほら、なんか妙にリアルでしょ。一番の同盟国と信じていたらあちこちシッカリ盗聴されてた間抜けな政府とピッタリイメージが重なる。

 

ただ中年の主婦の視線で進めるストーリー自体は、なんとなくどこか他人事(ひとごと)っぽく、時として滑稽味さえ感じさせるような調子で進む。でも、戦闘員でもない普通の市民に迫る危機っていうのは、案外こんなものなのかも知れない。新聞もテレビもラジオも止まって外からの情報が入らなくなれば、人間は自分の身の上に大厄災が降りかかるとはあまり思わないので、なかなか実感が持てないものかも知れない。

 

日本沈没』とか『タイタニック』のようなドラマチックで大規模なパニック小説が好きな人には向かないだろうが、とにかく安倍政治が突き進む先にはこんな世界が展開するかも・・・と、下手なホラーを読むよりは(って、私はホラーは好きではないのであまり読みませんが)ゾゾッとするように思った。

 

「夢のような戦争放棄憲法を守って、70年間どの国の人も殺していない日本」という国に敬意を抱いてくれている国や人は少なくない。紛争地帯で活動している中村哲医師は、だからこそ自分たちは安心して働くことができると仰っていた。

 

そういうイメージで「売って」いたら、いくらどんな屁理屈を付けても攻撃しにくいことだろう。無理に「戦争できる普通の国」になることなどない。抑止力で睨み合う平和など平和ではない。日本は外交ベタなのだから、先にもっとその力を磨こう。

 

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今日は忘れずに「報道特集」を録画予約してサイレントスタンディングに出かけ、帰って来てから見た。先日の日曜日の高校生による渋谷デモを取り上げていて、キャスターが自分が取材をするようになって何十年、これだけ多くの高校生が政治的な声を上げているのを見たことがない、というようなことを言っていた。

 

政治はうまくいっているとき国民はそれを意識しない、という言葉がある。そう考えると、こんなに大学生や高校生がたくさん集会に集まり声を上げている今は、よほど政治が悪いということだ。それでなくても巨額の借金や払う甲斐のない年金制度など、若い人たちには申し訳ないことが多いのに、為政者よこれ以上彼ら若者に迷惑かけるな!と言いたい。

 

安保法案、サッサと引っ込めればこんなに国会を延長することもなかった。一日で何億円もかかるという国会を、こんな不毛な審議に使う安倍内閣。国民の大半が今国会での成立を望んでいないのに、自分や自分の祖父の欲望を叶えんがために強引なやり方をして、国民に莫大な損害を与えている。

 

♯本当に止める!

 

 

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