よんばば つれづれ

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盆中火の元注意令

今日の古文書の講座で扱ったものが、この正徳二年の火の元注意の文書。盆には燈籠だの持仏堂(各家庭に向けての注意なので仏壇か)など火の元が普段より多くなるから気を付けるようにという注意のお触れなのだけれど、その中に「子とも慰に花火なと立候義・・・」と出て来て、先生が「花火を立てるというのがどういうことか・・・この頃はこういう言い方があったのか・・・」と仰った。

 

私はそこで、たまたま先週見たテレビで言っていたことを思い出したので言ってみた。

 

線香花火はもともと関西で考え出され、ワラの先に火薬を混ぜた液をつけて作り、それを香炉に立てて楽しんだ(そのようすが仏壇の線香に似ているので「線香花火」と呼ばれるようになった)。それが関東にまで伝わったのだが、関東では稲作があまり盛んでなくワラが豊富になかったため、代わりに粉のままの火薬を和紙で包んで作るようになった、という話だ。

 

今これを書くために改めて調べたら、記憶違いで少々違ったことを言ってしまった部分もあったのだけれど、先生も大いに納得して面白がってくださった。普段民放のバラエティー番組は見ないのだけれど、なぜか先週ザッピング中に部分的に見ていたところが丁度今日の古文書の話とつながり、我ながらびっくりした。

 

覚えるよりも忘れていく方が多くていっこうに力が付かないでいるうちに、近頃ではコンピューターが崩し字を読めるようになってしまったらしい。まだまだ読み違えは多くて、どんどん修正していく必要はあるらしいけれど、いまどきのこの分野の進みぶりを見れば、近い将来ほとんどの古文書をコンピューターが通常の文字に変換してくれるようになるだろう。

 

ま、私は生業にするために古文書を勉強しているわけでなし、コンピューターを敵視することもないのだけれど、かつてやっていた視覚障碍者のための音訳といい、語学といい、この古文書といい、ことごとく後ろからやって来たコンピューターにあっけなく抜き去られていくという感じが否めない。人間が大変な苦労をして理解するものを、おちゃのこさいさい、朝飯前よと言わんばかりに片付けてしまう。

 

ただ、コンピューターがそうしたことを処理できるようにお膳立てするのは人間だし、崩し字が現代の文字に置き換わっても、その資料を使って研究に生かすのも人間だ。今のところ。いずれそれらのコンピューターが変換したデータを基に、人工知能が研究を深める・・・なんていう日も来るのだろうか。

 

ま、それでも私はボチボチと古文書の勉強を進めようか。

 

 

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午後はプラットの喫茶でユネスコの何人かとお茶を飲みながらいろいろ情報交換。話はどうしても、安倍横暴内閣をなんとかしなければということに落ちつく。安保関連法案を廃案にし、安倍内閣退陣に追い込むにはどうすれば良いのか。考える国民の知恵の結集を!

 

どうせ忘れると言ったこと、忘れないから!

 

 

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一本の線香花火の寿命は短くても、たくさんの人でつないでいけば燃え続ける。