よんばば つれづれ

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ユネスコは世界遺産をどう守る?

ユネスコユニセフの区別のつかない人が多い中、しばしばニュースで「ユネスコ」の名を耳にするようになって、初めのうちは嬉しく思っていた。でもそれは日本のどこそこの何々が世界遺産に登録されたとか、今回は外れたとか、そんなニュースばかり。そもそもユネスコはどんなことをしていて、ユニセフとはどう違うのかなどはサッパリ伝わってこない。

 

ここ数日また、例のお隣の国とのからみもある複数施設の登録問題でかまびすしい。このところ日本で指定を取り付けたものには、そもそも申請したのが適切だったのかと思うようなものもないではない。「和食」など、私も確かに素晴らしさも認めるし大好きでもあるのだけれど、果たして世界遺産として取り上げるべきものであるかは疑問だ。世界遺産はやはりその名の通り、「世界中の人々にとって価値が高く後世に残すべきもの」だろう。

 

和食は日本人にとって大切なものだけれど、世界遺産に登録してもらわないと消えていってしまうのであれば、消えるしかないのだと思う。残したいと思えば、日本人が自分たちで大切にし、伝える努力をし、残していくものではないか。「和食ほど素晴らしい料理は他の国にはない」と思って登録申請したのなら、おかしいと思う。地球上のどこにも、その地の食材を使い、その地に適した、その地の人々にとって素晴らしい料理があるのだから。

 

今回申請している「明治日本の産業革命遺産」にも同じようなことが言えると思う。これらは日本にとって重要な歴史の遺構(もちろん負の部分まで含めて)なのであって、保存のため世界に甘えるのはおかしい。

 

なぜ自国のものを大切にするのにユネスコのお墨付きが欲しいのだろう。そしてまたなぜ一般の人々は、レッテルが貼られると突然熱心に見に行きたがるのだろう。富岡製糸場世界遺産になったからと言って何ら変化があったわけでもないと思うけれど、ニュースの翌日から急激に観光客が増える現象が私には不思議でならない。昨日まで見向きもしていなかった人でも、レッテルが付いた途端ウワーッと駆けつける。

 

世界遺産はいまやあちらこちらの地域エゴや金勘定の手垢にまみれてしまっている。そのうち世界遺産委員会の委員が賄賂を受け取っていたなんてニュースが流れなければ良いがと心配している。

 

そしてそんなことをしている間にも、非常なテロリストたちによって、本当に世界規模での人類にとって大切な歴史的遺産が破壊され続ける。そういうことにこそ人々の関心を向けさせ、どうやって少しでもそのような蛮行を防ぐかに知恵を絞る、その先頭に立つことこそ、世界ユネスコの真にやるべきことだという気がする。

 

ユネスコのほんのほんの末端の小さな小さな民間組織に関わる私は、ニュースで「ユネスコ」の名を聞くたびに、だんだん肩身が狭くなってくるように感じている・・・。

 

ユネスコ  国際連合教育科学文化機関

   United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization ・・・UNESCO

教育や文化の振興を通じて、戦争の悲劇を繰り返さないとの理念により設立の意義を定めたユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」との文言があり、設立の目的とその精神を顕著に表している。(Wikipediaより)

 

 

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みんな生まれた時は天使なのに、なぜテロリストが育つの?

(写真はYahooの画像サイトのものです)