よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

子供達に思いをつなぐ

先週、私達豊橋ユネスコ協会の地域遺産プロジェクトチームは、市内の小学校で平和教育の出前授業を行った。

授業時間2時限分の枠に、ユネスコの紹介、豊橋公園の戦争遺跡の紹介、豊橋空襲のDVD上映、戦争体験者(当時小学生と中学生だったおふたり)の体験談、10人ほどのグループに別れてのワークショップ、グループごとのまとめ発表、というプログラムをセットしている。

今回授業の始めに先生は私達の紹介をしたあと、「本来なら忘れてしまいたいのかも知れない辛い戦争の体験を、わざわざこうして話に来てくださるのはなぜなのか、そのことを良く考えながら聞いてください」と子供達に仰った。その言葉が私はとても嬉しかった。


ワークショップで子供達の輪の中に入って意見を聞くとき、いつも感じるのは、子供達の素直でみずみずしい精神だ。今の小学生たちは祖父母さえほとんど戦後派か、あるいは生まれていても自分の記憶にはない世代なので、豊橋の空襲の話や戦争の体験談を直接聞くのは初めてという子がほとんどだ。

そうして本や映画やテレビの中のことと思っていた戦争が、自分の暮らす街や、今一緒に生きている人たちの身の上に実際に起こったことだと知ってとても驚く。好きなものが食べられて、何でもあって、自由な今の生活のありがたさに気付いてくれる。そうして、この平和を守っていかなければいけないということに気付いてくれる。



今回もワークショップの各グループの意見の記録を見ると、

・戦争は命もなくなって、生活も大変になるから、二度と起きないように考えていくことが大切
・今がすごく平和で、今のもののありがたみを強く感じた
・これからは自分たちで平和な世の中を築けるように努力したい
・戦争をやっていいことはないし、戦争をしてもなんの利益もないので、戦争は二度と起こしてはダメ
 そのためには、たくさんの問題を解決して、話し合いをすることが大事
・争いがあっても、武器を使わず話し合い!
・英語や文化を勉強することは、他の国に文化を伝えるため
・戦争を防ぐには、核兵器や全ての武器をなくし、戦争の体験を伝えていく

などの意見が、「怖いと思った」「戦争は悲惨だ」といった感想とともにたくさん並んでいた。教科書からでは学びにくいことを、なるべく身近に実際にあったことをあげ、体験者から直接(これは年々難しくなってきている)伝えることを心掛け、自分たちの主張は入れないように気を付けて行っているけれど、子供達はきちんと私たちの思いを受け止めてくれている。


この出前授業は子供達が社会科で戦争について学んでから行うようにしているので、どうしても11月から12月以降になる。全く暖房のないこの季節の学校は、あらかじめしっかり着込んでいっても、結構寒くて辛い。慣れているとはいえ、その中で子供達は床に直接座って2時間話を聞いてくれるのだ。おしゃべりすることもなく、いつも、どの学校でも、感心するほど真剣に聞いてくれる。

やっぱり子供は社会の宝であり、未来への希望だと思う。
子供は”周囲の大人なり”に育つ。
大人はつねに我が身を振り返り、正していかなければ!



出前授業風景