よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

オランダ国王ご夫妻訪日レセプションのこと

先月、満蒙開拓平和記念館の見学の折(その時のエントリはコチラ)に交流をし、その後情報交換をしている東京のユネスコのグループ「アルムニクラブ」の方のメールで知ったことについて書く。


先月末オランダ国王夫妻が日本を訪問され、夫妻主催のコンサートが催された折りのニュースについて、日本のメディアのほとんどは、久々に公式の場にお出になった雅子皇太子妃に焦点を当てた報道だった。肝心なアレキサンダー国王夫妻の姿は隠れてしまいそうな扱いで、国賓として来日したお客さまの動静をこんな風に扱っていいものかと、その方はいささか怪訝に感じたそうだ。



参考までにその時の朝日新聞のウェブ上の記事

天皇、皇后両陛下は31日、東京都港区のホテルオークラ東京で、オランダ国王夫妻主催のコンサートと答礼レセプションに出席した。日本側の歓迎に感謝して開かれたもので、秋篠宮ご夫妻を始め皇族方、安倍晋三首相夫妻ら約460人が出席した。

 宮内庁によると、レセプションには戦時中、日本軍の強制収容所に入れられたオランダ人女性も出席。「優しい日本人と多く会い、癒やされました」と話しかけられ、天皇陛下は「オランダとの友情関係が発展したことを喜んでいます」と答えたという。


ちなみに、日経ではオランダ人女性については全く触れていない。それ以外はほぼ同じ。



オランダ政府の公式サイトには、この時の国王のスピーチが全文英語とオランダ語で載っていて、


「歴史は正しく継承すべきだ … 前大戦中、オランダの兵士、民間人が体験したことを忘れずにいる。忘れることはできない。… 戦争の傷跡は今も多くの人々の人生に陰を落している … 捕虜として厳しい労働を強制されたり、人間としての尊厳を奪われたりした記憶は今なお人々の心に深くきざみこまれている…」

というような内容だそうだ。また、その方は、

日本軍のジャワ島占領中にオランダ軍兵士を強制労働させたり、とくに民間のオランダ人女性を「慰安婦」として日本の軍人の夜の相手をさせた事実は、戦後明るみに出て、昭和天皇がオランダを訪問した折には、卵を投げつけられたり、記念の植樹を引き抜かれたりと、あの国の人々の怒りを一身に受けられたニュースがそうしたことを忘却気味だった日本人を驚かせた、とも書いている。


アレキサンダー国王が、勇気をこめて発言された重大な事実をいっさい無視して、(政府にとって)あたりさわりのない報道に終始している日本のメディアは、私たちにとっては何なのだろうか、と憤っている。


私もこのメールを読まなければ、国王のこうした発言は全く知らずにいた。先月、豊川海軍工廠の空襲体験をお話しになった方が、「知らされないことに気付く大切さ」を強調されたことをその時のブログに書いた(そのエントリはコチラ)けれど、いまこうして多くのことが私たちに知らされないまま過ぎて行っている。恐ろしいことだと思う。すぐ近くの国の状況を「なんと無知で遅れた・・・」と見がちだけれど、私たちもどれほど違うと言えるのか。


いよいよ来月には特定秘密保護法も施行となる。猶予はもう一か月しかない。