よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

母さん鳩はシングルマザー?

インターネットの情報によれば、鳩のつがいは人間以上に絆が強いそうだけれど、うちの庭木の巣にはまるで片割れが来ている様子が感じられない。庭木を伐採していたときに私と目が合ったあの母鳩が、ずっと卵を抱いているようだ。

お父さん鳩は事故にでも遭ってしまったのだろうか。お母さん鳩は飲まず食わずで抱卵しているのだろうか。食いしん坊の私としては、気に掛かって仕方がない。卵は何日で孵化するのだろうか。またしてもインターネットで調べると、孵化には18〜20日くらいかかるようだ。私が見つけた時点で何日たっていたのか分からないけれど、少なくともまだ数日はかかることだろう。私もまだしばらく気がかりな日々が続く。

違う種類の鳥の巣に卵を産んで、ちゃっかり子育てさせてしまうような鳥もいるけれど、生きものたちの子育てには、結構苛酷なものも少なくない。動物の生態を紹介するテレビ番組など見ていると、時々そうした厳しい子育て風景に出くわすことがある。生きるということは大変なことであり、種をつないでいくということはとても厳しいことなのだと痛感する。

人間の子育ては、国や親の社会的な所属レベルなどでかなり違いがある。両親が協力して行う場合もあれば、全くのシングルマザーもあり、中途からひとり親になる場合もある。同じ日本でも、十代で親から離れる子もいれば、40過ぎた子に年金暮らしのすねを齧らせている親もいる。

生まれるとすぐ立って歩く馬などと違い、人間は歩くまでにも1年ほどかかる。それからさらに、家庭や学校で人間社会で生きるすべを学習して初めて一人前のヒトとなる。生物の中でもとびぬけて子育て期間が長い。それでも過ぎてみればあっという間だったな、物足りないなと思うけれど・・・。

世の中がすっかり複雑になって、子育てもとても難しい時代になっていると思う。家の中に何世代もの大勢の大人がいたり、地域社会の大人たちがみなで子供に目を配ったりした昔と違い、お母さんたちは社会の中で孤立しがちだ。子供達を取り巻く危険もいっぱいある。学校の先生方も大忙しで余裕がない。パートナーはいたとしても、多くの場合家庭で過ごせる時間は極端に少ない。

ひとつの家庭だけで子育てが自由になる時代ではないけれど、それでもあえて願う。人間も生物の一つなのだから、なるべくシンプルに考えてほしい。しつけ、教育の前に、ただ赤ちゃんを愛してほしい。忙しいお父さんも、育児に関わるのは「義務」ではなく、「権利」なのだととらえてほしい。スキンシップを楽しんで、特別な所に出かけなくてもいいから、家やその近所で子供とたくさん遊んだり散歩したりしてほしい。

子供達は愛されて幸せに育ってほしいし、親たちは心に余裕を持って子供との時間を楽しんでほしい。子育て先輩の年配者は、自分の孫にこだわらず、身近な地域で、子育て中の親たちに力を貸してほしい。忙しくてとげとげしくてあやうい世の中だけど、子供を中心にあたたかくてやわらかな社会を目指していけたらいいなと思う。