よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

夏ドラマの終わり

夏ドラマが次々終了する時期を迎えている。今期は終わってしまうのが寂しいと感じるものがない。しいてあげれば、藤原竜也くん演じる赤城左門に会えなくなることくらいか(このドラマも途中少々失速の感があったけれど)。

そうだ、井之頭五郎さんに会えなくなるのはちょっと寂しい。あの豪快な食べっぷりは気持ちがいい。


グルメ番組大盛況で、芸能人がいろいろなものを食べるシーンが嫌でも目に入ってしまうが、気持ちよく食べる、あるいは上手に食べる人は案外少ない。いつの頃からどなたが始められたか知らないが、いまや大抵の方が手皿で受けて召し上がる。上品だと思っているのかもしれないけれど、食事のマナーとしてはNGだ。

その点、五郎さんは変に気取らずバクバク食べる。最後は大抵かっ込む。潔い。男前な食べっぷり。毎度毎度あんなにたくさん食べてもあんなにスマートで羨ましい。やはり体が大きいので必要とするカロリーもかなり多いのかしら、などと思っていたら、五郎を演じる松重豊さんは実は小食なのだそうだ。それなのにあんなに豪快にうまそうに食べる。さすが役者。ただ食べるだけで、ほとんど芝居はないではないか・・・と思っていたが、そうではなかった。ちゃんと、「食べること」を演じていたのだ。

グルメ番組では、味についてのタレントたちのワンパターンな表現にしばしば苛立ちを感じる(それもあってあまり見ないようにしているのだけれど)。仕事として食べ、感想を述べなければならないのだから、もう少し表現方法を豊かにする努力をしてほしい。食べ方についても、今はネットで簡単に調べることもできるのだから、せめて見る人に不快感を与えない心遣いが欲しい。

孤独のグルメ』の五郎さんは、ありきたりな「おいしい」とか「やわらか〜い」とかはあまり使わず(結構とんでもない表現だったりもするが)、独り言という設定で、分かり易く的確にその食べ物の味を伝えてくれる。だからこそ人気シリーズになったのだろう。

似た時間帯の、やはりコミック原作の『深夜食堂』が食べ物に人情話をプラスしているのを思うと、五郎さんの方は工夫もひねりもない直球どまんなか、という作りに見えるけれど、実はしっかり計算され作りこまれている。ドラマの後に登場する原作者がまたほんとに気のいいおじさん(失礼、私よりお若い方に)、という感じの方で、なあんにも考えないで気楽に書いてますよ〜という風情なのだ。いいなあ、あんなにお気楽に楽しそうに生きていけたら・・・。

こだわりの名店を扱う訳ではないので、五郎さんは限りなくエンドレスに近く続けられそうなので、まだまだシーズン5、6・・・と期待できるのではないかと思っている。

さて、番組改変時期の、私にとってはどうでもいい特番が何週か続いて、そのあと秋ドラマのスタートとなる。少しは期待できる作品が出てくるだろうか。