よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

魅力的な変人

夏クールはあまり楽しみにするほどのドラマがなくてつまらないなあと思っていたけれど、『ST赤と白の捜査ファイル』がちょっとおもしろくなって来た。

近頃なんだか知らないがやたら主人公が変人という設定のドラマが多い。今期も監察医務院という舞台設定も同じなら、主人公が変人というところまで被っている2つのドラマがあるし、変わった検事や刑事がザクザク登場する。

美男美女や非の打ちどころのない主人公では説得力に欠けると思うのかもしれないが、変人という設定にすることの意味が出るのは、その変人が魅力的であってこそだと思う。

かつて『相棒』が人気が出たのも杉下右京という変人が魅力的に描けていたのと、対照的にその相棒の薫がステレオタイプ的ともいえる熱血漢で、そのバランスの妙に魅力があったのではないかと思う。ここでは右京は変人である必然性があった。

近いところでは『リーガルハイ』の古美門弁護士が非常に個性的で印象に残っている。彼の場合ひょっとしたら視聴者にすごく嫌われる主人公になってしまったかもしれないほどきわどいキャラクターなのだけれど、堺雅人さんの怪演によりたまらなくチャーミングな人物になっていた。



ところが、今期の変人たちは脚本の描き方が半端なのか演じ手の力量不足なのか、ただ「変人なら面白がるんでしょ」と視聴者をなめているような、底が浅くてつまらないものが多い。どんどん脱落してしまった。

そんな中、『ST・・・』の変人は藤原竜也演ずる赤城といい、窪田正孝の黒崎といい、かなり魅力的だ。赤城はものすごく優秀な頭脳を持っているしプライドも猛烈に高いのだけれど、なんともカワイイ、もう「カワイイ」としか表現のしようがない。これも竜也くんの演技力のたまものか?窪田君の黒崎は3話目まではほとんどセリフもなかったくらいだが、実にクールでカッコイイ(残りの3人のSTメンバーの描き方は今のところ中途半端な感じがするけれど、これは今後に期待しよう)。

その「すごい能力を持っているけれど変人ばかり」のSTのメンバーをまとめる(いや、実際にはまとめられず、振り回されていることが多いけれど)キャップ役の岡田将生くんがまたのほほんとしたいい味を出している。竜也君と将生くんのやりとりは息の合ったコントのようで面白い。

軽いコメディで、漫画のようなデフォルメされた登場人物だらけながら、見ているうちに「ああ、信頼し合えるっていいな」とか「仲間っていいな」と、ちょっとほのぼのした気分になるストーリーも気に入っている。



シリアスなドラマなのにちっとも感情移入できない作品もあれば、荒唐無稽で子供だましのように見えて、結構引き込まれ楽しく見るうちに、ちゃんと感動させてくれる作品もある。旧作への思い入れが強い『若者たち』や、大御所の脚本家の力に期待が大きかった『おやじの背中』などは少々残念な結果だったけれど、私にとっては、この作品だけがかろうじてこの夏の楽しみになりそうだ。



それにしても、2003年の『すいか』のようなドラマにまた出合いたいな〜。