よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

『ツレがうつになりまして』夫婦っていいね

例によってGyaOの無料映画で視聴。

以前NHKで連続ドラマとして放送した時も、テーマに興味があって見たのだけれど、ヒロインを演じた藤原紀香さんが二人称として「ツレ」と呼びかけるのにどうしても抵抗を感じて、1回目で挫折してしまった。

映画になり主役の二人も演技派だし評判も良いようだったけれど、その記憶が不安を呼んで、見に行ってみようと思わなかった。でも無料だからだめだったらやめればいいし、と気軽な気持ちで見始めた。

幸いこちらは二人称として直接「ツレ」と呼びかけるシーンは少なかったし、宮粼さんの言い方も優しくてあまり気にならなかった。そして思った通り主演二人の演技が素晴らしくて(もちろん余さんはじめ脇の方々もみな良い)、グングン引き込まれてしまった。

堺さんが演じるとなぜこうも、頼りなかったり嫌味だったりする人も可愛らしく魅力的に見えてしまうのだろう。こんなに可愛らしかったら、宮粼さんでなくても支えちゃうよね!とさえ思ってしまう。本当は働けない鬱の旦那様を支えるなんて、なまなかな気持ちではできないことだろうけれど・・・。(こんなに可愛い旦那様もめったにいるものじゃないと思うし)

嫌味な人の代表は『リーガルハイ』の古美門弁護士だ。古美門をもし堺さん以外の俳優が演じていたら、あんな拝金主義で自信過剰の嫌な男、とても好きにはなれなかっただろう。ドラマの視聴も途中でリタイアしていたかもしれない。


『ツレ・・・』に戻る。テーマの重たさを、主人公たちの住んでいる家のレトロな雰囲気や、宮粼さんの可愛いファッションや、ペットのイグアナ(可愛い)、カメ(超カワイイ!)などがいい具合にやわらげて、ほんわかと温かい心なぐさめる作品にしていた。原作者の漫画ももちろん効果満点の使い方だった。


神様のカルテ』『舟を編む』そして本作と、このところ立て続けに宮粼さんの奥様役を見た。そのどれもが、特殊な職業を持っていながらけなげに夫を支える妻という設定だった。子供がいないというのも共通している。これらの話で夫婦に子供がいた場合、どのような展開になるだろうか。子供ができた次のステージの話も見てみたい気がする。


複雑で忙しい現代、心の病に陥る危険性は誰もが持っている。エンターテインメントとして楽しめ、うつ病への理解も深め、そして見終わったとき人生の大切なことを再確認して温かな気持ちになれる、とても素晴らしい映画だった。