よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

『増山超能力師事務所』誉田哲也著

去年市民館にリクエストして、半年ほど待ってやっと読むことができた。

市民館に行って本を受け取ったとき、私は間違って児童用図書を頼んでしまったのかと思った。題名もそんな感じだが、装丁を見るとますますそんな感じ。


でも正真正銘大人の本だ。なにしろ読み始めるといきなり超能力で服の下を透視などという、色っぽい話が始まるのだから。舞台は近未来?超能力がちゃんと社会で認められ、正規の許可を得て探偵事務所のような仕事ができるようになっている。

この事務所のクールな増山所長と、3人の超能力を待つ部下(一人は2級資格を取ったばかりの駆け出し)と、肝っ玉母さんみたいな経理のおばさん、そして新たに加わるとても個性的な若く美しい女性?の6人を巡るお話だ。それぞれの登場人物が中心になって連作短編集のような作りになっている。サラっと人物紹介の巻といった体(てい)で、手応え次第では続編をということだろうか。

誉田さんは『ストロベリーナイト』の著者だった。どうりで新刊の本作に予約が殺到したわけだと納得。『ストロベリー・・・』を私は読んでいないけれど、ドラマの初回を見て、苦手な暗い暴力的な話だったので視聴をやめてしまった。しかしこちらは大分雰囲気の違う作風で、スイスイ軽く楽しく読めてしまった。

メンバーの中にはかなり強い超能力を持つ人もいるが、新米くんは2級の資格試験にもやっと合格したくらいで、人の心を読んだり物を透視したりするのにも苦労している。このくらいの超能力を持つ人は実際にいるかもしれない。少し前にEテレで『"超能力"はあるのか!不可思議に挑む科学者たち』という番組をやっていた。本当に近い将来こんな事務所が現れるかもしれないという気にさせられる。

人物がきちんと描かれているし、マイノリティーに対する優しいまなざしもいい。増山所長の家庭がミステリアスで危険な匂いまでただよわせて終わるので、絶対続きが知りたくなってしまう。



今度はカエルを作りました。