よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

『BORDER』がけっこう渋い

春ドラマの中でも制作費は一番かかっていないほうではないかと思われる地味な作品だけれど、なかなかおもしろい。

舞台劇かというくらい登場人物も場面の変化も少ないし音響なども派手さはないが、なんだかそれが疲れなくてかえって心地よい。見始める前は主人公の脳の中に弾丸がとどまっているという設定も無理があるように思われたけれど、あまりその特異さが気にならないから不思議だ。話が面白く主人公を演じる小栗旬の演技もいいので、抵抗なくストーリーに引き込まれてしまう。

今週、宮藤官九郎をゲストに迎えての第五話は結局不幸な事故で、殺人もなければ犯人もいない、警察ドラマとしてはありえないような話だったけれど、家族の温かさや大切さがよく描かれていて感動的だった。

実は警察ものも病院ものももうウンザリ、食傷気味です!と思っていたのだが、意外にも今期のこの作品と、病院が舞台の『アリスの棘』が面白い。どちらも今までとはちょっと違う視点から描いているからだと思う。出演者も『BORDER』は遠藤憲一さん、『アリス・・』はオダギリジョーさん(と、あと尾美としのりさんがいた)が「出過ぎ」と感じられるものの、その他にはあまり見飽きたような顔ぶれがいないのもいい。

『BORDER』は裏に強力な、しかも似た系統の番組があるのに、この2週は視聴率でも優っている。もう一方は録画でジックリということかもしれないけれど、それにしても改めてお金さえかければ面白いものが作れる訳ではないことを証明してくれたような作品だ。

なかなか冒険ができない時代らしく、成功すればすぐ続編とか、同じような顔ぶれの俳優でという安直な番組が多い流れの中に、一石を投じてくれたような『BORDER』を私は応援している。