よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

『ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時〜』三上延著

嫁が置いて行ってくれたビブリア古書堂シリーズの最新刊を読んだ。2年ほど前の帰省の折に「古書についてのうんちくがとても面白いですよ」と、既刊の3冊を嫁が持って来てくれた。読み始めるとなるほど古書についてや、なじみのなかった古書業界周辺の話がとても興味深い。おまけに古書にまつわる謎をヒロインが解いていくストーリーにはミステリーの面白さも味わえる。夢中になってあっという間にその3冊を読んでしまった。

昨年4巻が出版されるとまた持って来てくれて楽しく読んだ。この時はテレビドラマと並行した出版だったが、ドラマは本のイメージとはかなりかけ離れたキャスティングで少々残念だった。つい先日そういえばそろそろまた新しいのが出ているのではないかしらと思い、図書館で借りようかと検索したらすでに予約がいっぱい入っていた。これでは当分無理ねと思っていたら、以心伝心?シンクロニシティ?驚きのタイミングだった。


今回は手塚治虫の『ブラック・ジャック』や寺山修司の『われに五月を』などを巡る話。相変わらず古い本にまつわる話が興味深く面白い。そして主人公たちの恋のお話もクライマックス?なんとかうまくまとまりそうだけど、でもまだまだひと波乱、ふた波乱ありそうな・・・。ヒロインの母親が危険な香りぷんぷんで、なにをしでかしてくれるかドキドキする。どうぞ若い二人を引き裂かないで!と祈る思い。

この本を読んでいると、出てくる古書をたまらなく読みたい気持ちにさせられる。と言っても私自身はあくまでも気持ちだけで、読み終えるともう次の本に行っているのだけれど、実際この本の影響で取り上げられた古い本が売り上げを伸ばしたり、絶版になっていた本が復刊されたりしていると言う。

巻末には何十冊という参考文献の名前が並び、あとがきで著者はこのシリーズを書いていると蔵書がものすごい勢いで増えてしまうと言っている。読む側は楽しいけれど、古書の世界の、しかもミステリーになるような希少な話を掘り出すのは大変な努力だろうと思う。著者はこのシリーズを長く続けるのは難しいとおっしゃっているらしいが、ファンとしては少しでも長く続いてほしい。


本書に登場する寺山修司の『われに五月を』の中の「五月の詩」の一部を。

  二十才 僕は五月に誕生した
  僕は木の葉をふみ若い樹木たちをよんでみる
  いまこそ時 僕は僕の季節の入り口で
  はにかみながら鳥たちへ
  手をあげてみる
  二十才 僕は五月に誕生した



私も五月に生まれ、そうして五月をとても愛している。