よんばば つれづれ

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適正価格を考える

今朝の報道番組でスーパーの298円のお弁当を取り上げていました。ブラジル産の鶏肉や中国産の野菜などを使って努力しても、ほとんど利益はないそうです。それでも人気の商品なのでやめる訳にいかないとスーパーの経営者は言っていました。

そのあとで浜松の知久屋という総菜屋さんの500円のお弁当が紹介されました。パン粉は無添加の食パンを自分のところで挽き、マヨネーズも自家製という身体に良さそうな良心的なもの。消費者が少し余計に代金を払う気になれば、こんなに安心でおいしそうなお弁当ができるのですね。

数年前浜松医大病院に入院している友人を見舞った折り、一緒に行った友達とお昼を食べたのがこのお店だったことを思い出しました。目移りしてしまうほどのおいしそうなお惣菜がいっぱい店内に並んでいて、印象的だったので覚えていました。

お弁当の後は青森県のトキワ鶏卵の卵が紹介されていました。1個100円くらいするそうですが、放し飼いにされ人間が食べても大丈夫なお米やトウモロコシを与えられた鶏が生む卵です。もう何年もここの卵を取り寄せているという方は、アレルギーで卵が食べられなかった子供さんも、ここの卵なら全く問題なく食べられると話していました。そうか、アレルギーを起こすのは卵のせいではなく、鶏が食べさせられている不自然なものが起こしていたのですね。物価の優等生などと言われますが、何十年も変わらない値段で買える卵は異常です。

そして夜NHKスペシャルで「アスペルギルス・オリゼ」(いわゆる麹菌)の話を見て、和食の奥の深さや、何百年もかかって日本独特(麹菌は世界中で日本にしかいない)のその菌を作り出し、伝え守ってきた人々の知恵や努力に深い感動を覚えました。こうして手間ひまかけて作り出す味噌や醤油がどれくらいの値段になれば正当か、ちょっと考えただけでも貧乏人の私が手を出せるものではないだろうと分かります。そしてスーパーの棚に並ぶ安い製品の製造過程も想像できるような気がします。

スーパーに行くと、アメリカ産のブロッコリーが98円で売られています。いっぽう地元産のものは158円くらいします。トラックで運んでくるだけのものが158円で、飛行機に乗ってくるほうが98円です。158円のものはちょっとウロウロしていると、すぐ黄ばんできて蕾も開き気味になってしまいます。対してはるばる飛行機に乗ってきたほうは、何日経とうとあまり変化しません。子や孫がいるときなら迷わず地元産を買います。


このところまた食品の偽装表示が話題になっています。もちろんウソをつく業者はいけませんが、消費者にも全く責任がないとは言えません。やたらと安いと喜んだり有名ブランドをありがたがったりせず、自分の求めるものの適正な価格を考えてみる必要があります。

十数年前勤めていた職場では配達の弁当(値段は300円弱だったと思う)を自己負担数十円で食べられましたが、配達されてカラを回収洗浄までしてその値段というのは、どう考えても有り得ないと思います。材料は?と考えたら毎日食べ続けるのは恐ろしいようです。

デフレだTPPだと難しい問題はありますが、モノの適正な価格をきちんと考える消費者がいれば、かなり解決されていくように思います。モノの後ろにいる作り手の労働を想像したり旬や収穫量に思いを馳せ、自分の負担できる価格と折り合いをつける賢さが求められていると思います。