よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

伊坂幸太郎著『チルドレン』

伊坂さん原作の映画を3本見たのですが、どれも好きだったので市民館の書棚で名前を見つけ迷わず借りて来たのがこの本です。この作品も2006年に映画化されているのですね。

短編連作なのですが、その5つの作品全てに登場する「陣内」という男性がとにかく強烈な個性で、大変な曲者なのにたまらなく魅力的な人物です。映画では大森南朋さんが演じたようですが、あの薄い顔立ちの大森さんが、持ち前の演技力でどう濃い陣内を演じたのか興味津々です。周りには家裁調査官の後輩の武藤、盲目の青年永瀬(クール!)、その彼女優子、陣内の大学の友人鴨居などが登場するのですが、どの人物もいきいきと描けていてひきつけられます。永瀬の盲導犬のベスまでが「人格」を持っています。

5つのお話もサスペンス風のものから人情話風とバラエティに富んでいておもしろく、読み終わって心がほっこりするところも、映画と同じ伊坂さんの優しい世界です。他の作品もぜひ読んでみたくなりました。