よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

夜明け前

またしても3時前に目が覚めてしまった。もう少し休まなきゃとそのまま布団の中にいたがまるで眠れそうもなく、かえって辛いので4時には起きてしまった。そして、とても電車では読めないと思って中途にしていた、ちくま文学の森3「幼かりし日々」の一篇吉野せい『梨花』を読み終えた。やはり激しく泣いてしまった。そばにいた猫が驚いて離れていった。

同じシリーズの2「心洗われる話」に収められていた『洟をたらした神』で知り、凄烈な生き方と無駄をそぎ落としきったような鋭い文章が強烈な印象を残した吉野せいの、またしても強く心を揺さぶる短編だった。貧しさのきわみの中に生後数ヶ月の命を終わらせざるを得なかった幼子梨花(りか)。けれどもこれほどまでに深い親の愛を受けた梨花ちゃんは、決して不幸な子ではないと思う。人の生き方の幸不幸は長さでも富でも名声でもない。

不況だデフレだと言いながら物はあふれ、平和で十分贅沢な時代にふにゃふにゃと生きる自分に、鋭い切っ先を突きつけるような吉野せいさんの生き方と作品です。


*このブログの日付の更新は何時なのでしょう。2月28日になっていますが、今は3月1日の夜明け前です。