よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

ゾウがお家にやって来た

前回Gya0!で見た『ボクの熱気球』は和蘭、独、英の合作だったのですが、今日のこの作品はオランダの作品。どちらも子どもが主人公で家族の温かさや大切さがテーマで、偶然だと思いますが製作年も同じ2005年です(しかも前作で最後に義理のママになった人と今作のママは同じ女優さんでした)。まあ、どこでも家族の絆が弱まり家庭の温かさがなくなりつつあるからこそ、こうしたテーマの作品が作られるということなのかもしれません。それにしても暗くなりがちなテーマを明るく楽しく取り上げ、くすっとさせながら最後はホロっとさせて、とてもいい作品になっていて、オランダの映画ってこんなにいいんだ、と感心しました。

『ボクの・・・』は完全にコメディでまともに見ると突っ込みどころ満載でしたが、『ゾウが・・・』はストーリーもそれほど荒唐無稽ではありません。ただ主人公ボニーの家庭がシングルマザーでしかもママは躁うつ病かなにかで仕事もしていないのにあまり経済的に困ったようすもなく、可愛らしいインテリアの素敵なお家でのんびり暮らしている感じに見えるのは、たまたま先祖の資産がちゃんとある家庭なのか、それとも政治の違いなのでしょうか?

心を病んでいるママに代わってボニーの世話を一手に引き受けていたおばあちゃんが急に亡くなって寂しく、また児童相談所の人に里子に出されそうな状況に不安も覚えてひとり悩むボニー。遠足のお金を忘れたり、ママが恋人を家に連れてくると、一晩寝ずに二人の邪魔をして翌日授業中に眠り込んでしまうボニーを気遣う担任の先生がまたとってもチャーミングです。授業中にさえお菓子をつままずにいられないほどの食いしん坊でお腹ダボダボのメタボの先生ですが、子どもの心をとってもよく分かっていて、こんな人が先生だったら学校に行くのが楽しいだろうなと思います。

それからボニーと仲良しの男の子の二人の想像の世界で、人を殺して食べている恐ろしい人のキャラクターを与えられている、いつも口の周りをケチャップで真っ赤にしている隣のおばさん。この人がまたとてもいい存在感と役回りで、素敵なエンディングに向かって活躍します。すねて屋根に登ってしまったボニーを救助するため駆けつけた消防隊員のおじいちゃん、屋根に登るのに何でこんなお年寄り?と思うのですが、このおじいちゃんもタダモンじゃない、と思ったら、やっぱりまた終わりの方でお茶目に登場していました。

ビデオケースの絵や邦題の「ゾウ」に興味を持って見ると、なかなか象が出てこない・・・とちょっと期待はずれになるかもしれませんが、でも、やっぱり象さん、いい仕事していました。

地方都市にいると地味だけれど味のある映画というのがなかなか見られません。私の住む市もいつの間にか映画館はシネマコンプレックスが1館あるのみという状態になってしまいました。テレビでもあまりこうした作品が取り上げられることはないので、GyaO!で無料で見られるなんて嬉しいです。まめにチェックしていると時々渋い作品を選んでくれているようです。出不精の私のありがたい楽しみです。

さて三連休も終わり、ブルーな日曜の夜の到来ですね。がんばらねば!