よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

同時並行、むむむ

今朝の日経のコラムに「同時並行」という言葉が使われていました。最近テレビでもよく耳にするようになり、私は気になっていました。「・・・と同時に並行して」と言うのをつづめたものなのでしょうが、なんとなく重複感が否めません。

ネットで検索すると、weblio英和和英というサイトのコンピューター用語辞典に、マイクロソフト用語の「concurrency」の日本語訳として出てきました。そうか、またしてもコンピューター用語から生まれた言葉でしたか。「立ち上げる」「落とし込む」などと同じ根っこだったのですね。

昔から新しい言い回しは生み出されてきたでしょうし、文学者も苦労して独自の言葉や表現を探します。そしてまた、誰からというでもなくいつの間にか生まれて、世間に受け入れられ定着していった新語もたくさんあるのでしょう。でも近頃の新しい言葉や間違った言い回しは、美しさや新しい表現への大変な苦労とは程遠い、政治家やタレント、コメンテイターなどと称する人たちが、テレビの中で無自覚に喋り散らして生み出され、増幅されていきます。今は消えてしまったのでほっとしていますが、何年か前に政治家が使った「股裂き」という言葉はニュースで聞くたびとても嫌な気分がしました。他にいくらでも当てはまる言葉があるのに、敢えてこのような言葉を使う人のセンスを疑います。

珊瑚の捏造記事が問題になった頃から、すでに新聞は写真だけでなく記事の文章力も気になることがしばしばありました。インターネットの時代になって、言葉や文字がますます軽く扱われているように思います。日本経済新聞のコラムで簡単に「同時並行」などと使ってほしくありません。マスコミに携わる人は、新しい言い回しを耳にしたらまずそれが適切な言葉か、敢えてその言葉を使わなければいけないのか、口にし文字にする前にちょっと考えてみて欲しいと思います。