よんばば つれづれ

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「水を下げる」という家事行為

テレビの天気予報を見ていた。記録的大寒波が襲来すると伝えている。水道管の凍結にご注意くださいと言っている。そこで私の記憶は突然30年も40年もタイムワープした。

 

青森県に住んでいた頃、冬の夜の必須家事が「水下げ」だった。家族の中で最後に寝る人(嫁は家の中で一番に起きて一番最後に寝る存在だから当然私なのだが)は、水道管の凍結を防ぐため、この作業を忘れてはならない。うっかり忘れると、翌朝水が出ないばかりか、下手をすると水道管の破裂という憂き目にあう。

 

それから下げる前に、ストーブの上に乗せる大きな薬缶に水をたっぷり張ることも忘れてはならない。万一蛇口が凍った時、お湯も用意できずさらに大変な状況になる。

 

で、多くの方は「水を下げる?」となることと思う。水道管の中に水が残っていると、夜間の気温低下でその水が凍るため、水道管を空にする必要がある。手順は、元栓を閉めたあと家中の蛇口を全開にし、しっかり管に残った水を出し切る、これでけのことだ。これだけのことなのだけれど、みんなが寝てしまった大きな家の中で一人、しかも火の気もなくなって寒い中でこの作業をするのが、ひどく孤独な気がして嫌いだった。

 

冬季にはこういう面倒な作業があるため、北国の家は蛇口の箇所をあまり多くすると大変だ。現在はもっと手軽で便利になっているかも知れない。当時でも、水道管に巻く凍結防止の電気コードがあったように記憶する。けれどもこれは当然電気代がかなりかかることになり、付き合いは切り詰められないが、家の中は質素を美徳とする家風の婚家にはありえない選択だった。

 

 

あの頃を思うと、いまはいくら寒いと言っても最低気温ですら氷点下になることはめったになく、朝、日の出前の5時台に起きてもリビングの温度計はたいてい二桁の気温を示している。その気になれば、誰に気兼ねもなくタイマーセットしてぽかぽかの中で目覚めることもできる。もったいないほど幸せだ・・・。

 

 

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転居して最初に迎えた冬、舅に私も子供たちも、軒下には立たないよう厳重に言われた。つららは美しいけれど、恐ろしい凶器だから。

 

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冬は外に干しても乾かないので室内に洗濯物を干す。その洗濯物が夜間には凍る青森では考えられないが、いま我が家ではシンビジウムが咲いている。退院祝いにいただき、初めについていた3本の花茎の花はとっくに終わったのだけれど、うちに来てから新しい花茎が伸び、いまそれがみごとに満開。なんだか得した気分!

虚しい児童憲章

毎回民生委員の地区会議の冒頭、民生委員児童委員信条と児童憲章の前文を唱和する。一昨日に2月の例会があり、出席者全員で唱和したばかりだが、ここに謳われている児童の権利と現実があまりにも乖離しすぎていて虚しくなる。

 

われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。

 児童は、人として尊ばれる。

 児童は、社会の一員として重んぜられる。

 児童は、よい環境のなかで育てられる。

 

今日は地区の中学校で民生委員児童委員と学校との懇談会があった。ここでも多くの問題を抱える生徒たちのことが語られ、そのほとんどに家庭環境の問題点が窺われる。いままでに私が見聞きした限りでは、学校でも家庭でもいじめや暴力といった事例はないが、病弱な親の世話や家事のために学校を休みがちだとか、親の無関心で夜遊びに走るなどの事例は、大人からの精神的な暴力とも言える。

 

学校はスクールカウンセラーの協力を得たり、グリーンルームという特別な教室を作ったりして細かく対応しているようだけれど、議題に上ってくる生徒は不登校とかひどい遅刻・早退、顕著な怠学傾向などの目に見える症状を呈している子供たちで、もしかしたら現代の貧困と同じで、外面からは掴みきれない問題を抱える子もいるかもしれない。

 

今回の千葉県の事件を受けて国会で首相が答弁していたが、空疎な言葉を羅列するだけでなく、一刻も早く本気で対処してほしい。児童相談所の人員を大幅に増やすことは必須だが、かなりの予算を取らねばならず一朝一夕にできることではないかもしれない。

 

けれども、普通の公務員がちょっと研修を受けて児相の児童福祉司になるという現在の制度を、その仕事に対する意思も熱意もある専門家に任せ、安易かつ短期間に他の一般の職場に異動させたりしない制度にするのは、本気で取り組めば比較的短期間にできることではないだろうか。

 

国は早急な対症療法と、法整備や予算の確保を含めた長期的な視点での抜本的対策に一刻も早く取り組んで欲しい。社会の宝である子供たちをこれ以上犠牲にしてはいけない。

 

 

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みんな幸せに元気に育ってほしい。  (地域の小学校のホームページよりお借りしました)

 

 

豊橋の新アリーナと辺野古新基地の新聞広告

豊橋にはいま「新アリーナ建設計画」というものがある。バスケットボールBリーグの三遠ネオフェニックスの新本拠地になるほか、バスケット以外の室内プロスポーツ大会やコンサート、大きな会議や集会などのコンベンションの開催などに使用し、市内外から大勢の集客を見込み、市中心部の活性化も目指すという触れ込みだ。

 

大半の住民がこの計画について何も知らない現状であるにもかかわらず、3月の議会で建設の承認がなされるというので、その承認を「ちょっと待って」という署名活動が始まっていて、今日友人がその署名を頼みに来た。

 

チームの現在の集客数が2000人前後だというのに、この新アリーナは5000人収容規模で、当然収支もそれを基に計算している。県内の小学校で昨年熱中症による死者を出してしまい、にわかに設置が決まった市内の小中学校のエアコンさえ、予算不足で全校に設置するには何年もかかり、高齢者の福祉も毎年どんどん削っているような財政状態で、このアリーナが本当に必要か(建て替えではなく新設)はなはだ疑問なので、すぐ署名した。

 

そのときに「読んでみて」と友人が置いて行った何枚かのチラシの中に、「辺野古新基地建設中止・普天間基地撤去を求める新聞意見広告」への賛同を求めるものがあった。個人は一口1000円から参加できる。

 

これについて紹介するサイト

「辺野古新基地建設中止・普天間基地撤去を求める新聞意見広告」への賛同を呼びかけます - 憲法を守り・いかす共同センター

 

沖縄まで出かけて土砂の投入を阻止したりは到底できないが、この活動に参加することなら手軽に気軽にできる。掲載予定紙は全国紙及び沖縄二紙となっている。なるべく多くの新聞に、大きな広告を載せられるほどの賛同が得られるよう願いここに紹介する。

 

 

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バレンタインチョコをいただいた。贈ったことは何度もあるけれど、貰うのは初めて!

いっしょに、美味しそうな生ぽんずと特産玉葱たっぷりのドレッシングも入っていた。どれも、いただくのが楽しみだ・・・。       

                     

 

ありがとうございます、happyさん!

 

冷や汗ものの読書感想

marcoさん(id:garadanikki)が今日のエントリで言及してくださった。「端的でわかりやすいあらすじが書ける羨ましい人」として。いつもmarcoさんの深い読み方に感心し啓発されている私としては、非常に嬉しいことなのだけれども、あらすじは苦手なのでなんだか大変面はゆい気もしている。

 

私のブログの中で、一番アクセスの多い記事が伊坂幸太郎さんの『グラスホッパー』について書いたエントリだと思う。伊坂さんの人気のお陰もあるのだろうが、映画が公開されたときには、何年も前の記事にどっとアクセスがあって驚いた。

 

ところがその人気記事が、作品を読んでない人には「サッパリ、はてな?」なものなのである。あらすじの紹介もなく、いきなり私自身の迷宮に引っ張り込んでいる。せっかくご訪問くださったかたも、これでは訳わかんない書き手のブログだと思われることだろう。

 

 

yonnbaba.hatenablog.com

 

ちょっと「本・動画等感想」カテゴリの古いエントリを見直してみる。一番最初の読後感想がこれ。少しは成長しているだろうか。いやもうこの歳で成長は無理か。

yonnbaba.hatenablog.com

 

悲しいことに読む片端から忘れ、ひどい場合はあらすじどころかタイトルすら忘れてしまう近ごろだが、そんななかでも、心を大きく動かされ深く刻まれた作品『悼む人』の感想。

yonnbaba.hatenablog.com

 

 

12月の半ばから、家事に専念しなければ・・・と本を借りるのをやめた。お正月気分が抜けると今度は育児記録や家計簿などの整理に没頭し、珍しく長い間読書と離れていた。昨日久しぶりに市民館に出かけ、本を借りてきた。あらすじを上手にまとめ、感想を書きたくなるような読書になるかどうか・・・。

 

 

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これが本の正しい使い方だニャ! (ウェブサイトから借りました)

愛知県知事選と立春の朝

昨日は愛知県知事選挙の投票日だった。私があまり外に出ていないせいかもしれないが、うっかり投票に行くのを忘れそうなほど、実に静かな選挙期間だった。

 

自民・公明に立憲・国民までが相乗りした現職に、共産党単独推薦の新人では初めから結果は明らかで、前回(34.93%)の投票率を上回るかどうかだけが気にかかっていたのだけれど、わずかに前回を超えたものの、35.51%という低調な結果だった。

 

「リニア」「産業都市」「ジブリパーク」。旧態依然だ。歴史のこの一大転換点にきて、まだこんな時代錯誤な公約を掲げている。「人が輝く・あいちが輝く」もなんだか誰かが言っていることと似ているような・・・。

 

投票した人が有権者の3人に1人強なのだから、特段こうした公約を多くの人が支持したということにもならないかもしれないが、それにしても、時報が投票締め切りの午後8時を打つと同時くらいに当確が出たらしいという事実は、現職知事にかなり大きな自信を与えてしまったのではないだろうか。

 

 

節分の翌日の今日は立春。春の到来を祝すかのように、太平洋側の各地はうららかな 天候に恵まれるようだけれど、どうも心は晴れない。

 

 

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もっと投票に行きたくなる選挙戦にするってことも必要だニャ! 

十万円を半年預けたら三千円増えた時代!

私が親元を離れてささやかな家庭を持ったのは、昭和40年代も終わりの頃で、間もなく半世紀も前になろうとしている。その時からほぼずっと家計簿らしきものはつけてきた。今回の整理でそれらも全部処分した。といっても、この15年ほどはパソコンなので、紙の資料として残っていたのは30年分くらいか。

 

廃棄に当たってざっと見直していて一番驚いたのは、家計簿のページの間に挟まっていた銀行の計算書だ。昭和50年1月30日付けで、106,147円を6か月定期で預けて満期解約したもの。3,846円の利息が付いている。利率はなんと7.25%!一日遅れて解約したようで、期日後利息すら、1日分で8円付いている。今は1か月たってもそんなに付かないんじゃないだろうか。

 

同じころ、食パン1斤90円、卵10個250円、牛乳1リットル180円、上白糖1キロ120円、新聞代1700円、喫茶店のコーヒー2人分で300円、雑誌ミセス350円、任意加入の国民年金保険料900円、NHK受信料(2か月分)1,800円・・・などと記入されている。

 

概して食料品価格は、40年以上たった今もそれほど値上がりしていないように思う。それに比べて、新聞は2倍以上(ちょうど値上げ直後で、前年くらいまで1,100円だった)、コーヒーは3倍ほど、国民年金に至っては今年3月までは16,340円だそうなので、18倍を超える!しかもこの時の900円というのは、その前年の昭和49年1月からの金額で、それまでは550円だった。

 

いくら当時の給与水準が今より低いといっても、結婚当時、大学を出て2年目の新米サラリーマンの家庭でも、妻の任意加入国民年金代550円というのは本当に何でもなく払える金額だった。

 

ちょうど第一次オイルショックがあったため、結婚当初の昭和48年の家計簿に比べると、49年から50年あたりで大分物価が上昇している。そのころ我が家では第一子誕生をひかえ、のほほんとスタートした結婚生活も急激にやりくりを意識する必要を感じ始めた記憶がある。

 

古い家計簿を見直して、改めて食料品や衣料品価格の変化の小ささに驚いた。衣料品などはむしろ今の方が安いくらいだ。国民年金保険料の上がり方に比べ、あまりにもゆがんだ価格傾向からは、弱者を踏み台にしている背景が透けているように思う。

 

踏みつけにされている弱者は、供給側にばかりいるのではない。需要側の消費者もまた、無知や無関心のためになめられて、自分の体に良くないものや、地球環境のために良くないものを買わされているのかも知れない。

 

 

少々考えさせられはしたものの、育児記録に比べ家計簿の整理は実にあっさりと終了。

 

 

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オイルショックのころのスーパーの風景(ウェブサイトより)。

私自身はあまり困った記憶はないけれど。

まったりお喋りとランチで終わったコスモス会

先週・先々週と、日本人5人のみの参加だった国際協力コスモス会の集まり。今日はさらに寂しい3人となってしまった。予定では「節分」についてとなっていて、担当者は豆も用意してくれたのだけれど、肝心な外国の方がゼロなので、豆まきはしないでまったりとおしゃべりしながら待った。

 

11時まで待って、どなたもみえないので散会ということにした。今は亡くなったこの会の創始者も、最初の頃は一人でひたすら待つことが何回かあったのだそうだ。やる以上は、参加者がいてもいなくても、決まった日の決まった時間には準備して待たなくては信頼は得られない。今日のような日もあるけれど、そのうちまた賑やかになる日も来るだろう。

 

このところすっかり冬ごもりといった体で、用事がない限り近所にランチに行くのさえおっくうにしている私だが、今日はせっかく外出したのだから、先週日本語教室の仲間と行ったパン屋さんのレストランで、ランチを食べて帰ることにした。もう一人のメンバーも「では私も・・・」ということになり、二人で食べることに。

 

大きなジャガイモやニンジンゴロゴロで、かたまりの肉はホロホロで美味しかった前回のココットランチも魅力だったが、いろいろ食べてみたいので、今日はサンドイッチにした。BLTサンドとえびアボカドサンドを注文して、1個ずつ交換して食べた(主婦あるある?)。

 

今日はこの冬一番の寒さだったのではないだろうか。もうすぐ目的地のアイプラザに着くという10時ころ、道路のわずかなくぼみに残った、昨日の雨の名残りがまだ凍ったままだった。帰り道も冷たい風がビュービュー吹いていたが、幸い、美味しいランチと楽しいお喋りで温まった体には、あまり応えなかった。

 

 

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サラダとマッシュポテト、しずく型の容器はさっぱり爽やかなピクルス。