本日は単なる親ばか記事ですので、家族写真の年賀状が苦手というような方は、どうぞスルーしてください。あっ、でも、挫折した話なんだから親ばかじゃないかしら・・・。
先週10年ぶりに改訂される広辞苑の第七版で、「やばい」という語に「のめり込みそうである」という意味が追加されるというニュースが流れた。これを聞いて、私は過去のある場面を思い出した。
当時次男はロックバンドを組んで、名古屋のライブハウスやイベントで演奏していた。「超」のつく方向音痴で乗り物に不案内な私も、時々は会社がひけたあと駅に直行して新幹線往復切符を買って、名古屋まで聴きに行ったりしていた。
しばしば、ネットで息子のバンドの名前を検索しては、メディアの評価や巷の反応に一喜一憂していた。そうして出合ったなかのあるコメントに、「今日見た〇〇(息子のバンドの名)、ヤバすぎ!」とあって、私は驚いた。何がそんなにいけないのだろうと読み進めると、不思議なことに褒めてくれていたのだ。
「ヤバイ」などという言葉をかたぎの人間が使うことに抵抗のあった私にとって、あろうことか若い女の子が、しかも肯定的な意味にも使うのかと非常な衝撃で、その時のことは強く印象に残った。
それからおよそ15年ほど経っただろうか。この15年という時間が、一つの言葉の使われ方の定着度を見るのに適当なのかどうか、私には分からない。ただ、このニュースを耳にして、ああ、ついに広辞苑に、「ヤバイ」の肯定的な使い方さえも認知される時代になったのかという感慨を持った。
ついでに、息子たちのバンドがもうひと息、ふた息というあたりにいったとき、某学会から「入会(入信?)すれば応援しますよ」というお声がかかったということを記しておく。私に似て頑固な息子は拒否し、だからという訳でもないだろうが、長い回り道の末に、今は音楽で食べることを諦め「一般人」をしている。